「それなら、私の傘を使って」
「でも……由乃ちゃんが濡れちゃうし……」
「ずぶ濡れのまま告白なんて、嫌でしょ?」
「そう……だけど……」
「せっかく七瀬君のために選んだプレゼントも、台無しになっちゃうよ。私に事は気にしなくていいから」
「……でもでも」
私はロッカーに走る。
折り畳み傘を取り出し、強引に友梨佳ちゃんの手に握らせた。
「ありがとう」と、大事そうに私の傘をなでた友梨佳ちゃん。
私は友梨佳ちゃんの背中を押し、廊下まで連れだす。
「縁結びの神様に、友梨佳ちゃんの恋が叶うようにお願いしておくから。友梨佳ちゃん、頑張ってね」
「由乃ちゃん、ありがとう」
友梨佳ちゃんは折り畳み傘を顔の前で振ると、廊下をバタバタと走っていった。



