「桃園くんごめんね。私、まだ帰れないんだぁ」
「由乃ちゃんは委員会でもあるの?」
「そっ、そうじゃないんだけど、学校でやらなきゃいけないことがあって」
「手伝うよ」
「いい、いい。桃園くんは、奈々ちゃんを駅まで送ってあげて」
「あっ……うん……」
「桃っち、いいの?」
「俺も同じ電車に乗るわけだし……」
「やったぁ~ じゃあ、一緒に帰ろ!」
頬を赤らめ、飛び跳ねて喜ぶ奈々ちゃん。
胸まで伸びるツインテが、嬉しそうにびょんびょん揺れている。
本当に可愛いなぁ。
恋する乙女は、みんなキュートなんだよね。
幸せそうな奈々ちゃんを見ていたら、私まで嬉しくなっちゃった。
「由乃ちゃん、またね~」
「二人とも、バイバイ~」
教室から出て行く二人を、手を振りながら見送る私。
恋って素敵だな~
自分の席に座ったまま、しみじみと実感してしまう。



