沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません



気のせいか。


そう思い直し、私は目の前の桃園くんを見上げてみる。



「うんうん、そっかそっか」



桃園君は、なぜか嬉しそう。



「一度切れた相手とは、絶対に結ばれないんだね~」



肩をルンルンと弾ませ、鼻歌まで歌いだしちゃった。



「由乃ちゃん、今日は傘持ってきた? なかったら俺の傘に入っていきなよ」


「えっ?」


「朝は晴れてたから、傘なんか持ってきてないって嘆いてる子が結構いてね。由乃ちゃんは大丈夫かなて思って。俺の傘、結構おっきいよ。二人で入っても余裕、余裕」



「確かに今日は、天気予報が外れちゃったね」



私もいらないかなって思って、傘は持ってこなかったけど……



「ロッカーに、折り畳み傘があるから大丈夫。心配してくれて、桃園くんありがとう」


「なぁ~んだ、傘があるのかぁ。じゃあ傘を並べて、一緒に由乃ちゃんの家まで……」