ヒィアぃ?
なになに?
突然沸き上がった、この意味不明な願望は!
私は別に、黒岩君のことを好きじゃないし。
誰かに恋をしたこともない。
でも時々……
ドキドキしちゃうこともありまして……
懐かしさみたいなものも感じちゃって……
黒岩くんだけ。
特別に。
心臓の音が早くなり、私は自分の視界から黒岩君を消し去る。
桃園くんは椅子から立ちあがると、私の席の前に両手をついた。
トイプードルみたいな人懐っこい笑顔で、私を見つめてくる。
「桃園くん、どうしたの?」
「ねぇ由乃ちゃん。あの話、詳しく聞かせてよ」
「あの話?」



