「このブーケも渡されちゃった。由乃ちゃんのお母さんは、百合のブーケをもって新婦入場をしたんだって。ジューンブライドといえば百合の花だからって、由乃ちゃんのお母さんのこだわりだったらしいよ」
知ってる。
亡くなる前、お母さんが結婚式のことを話してくれたから。
アルバムをめくりながら。
幸せそうな顔で。
「ねぇ由乃ちゃん、今日は何の日か知ってる?」
「私のお父さんとお母さんの……結婚記念日……」
結婚式を挙げる前に、二人で婚姻届けを出しに行ったって。
お父さんと永遠に赤い糸で結ばれるように、あえて6月を選んだって。
そうだよね? お母さん。
お母さんとの思い出がよみがえり、私の心がじわじわと温かくなる。
両親の愛が詰まったドレス。
幸せすぎて、涙があふれそうになっちゃった。



