☆由乃side☆







それから1年が過ぎました。



梅雨時期らしい、ザーザーぶりの雨の中。

日曜日のAM10時。

高3になった私『白石由乃』は、どこにいるかというと……


我が家の玄関ドアの外。

大きな屋根の下で、雨宿りをしています。



ある人が、我が家まで迎えに来てくれるはずなんだけど。

もう、約束の時間は過ぎているよね? 

なかなか来ないなぁ。



えっと……

デートだって勘違いさせちゃいました?


違う、違う。

遊ぶ相手は、黒岩くんじゃないんです。



私の大好きな彼は、今日はまる一日バドミントンの練習があるみたい。

高校最後の全国大会で優勝するため。

今、追い込みをかけている時期なんだそう。




ププっ!

車のクラクションが響く。


迎えに来てくれたんだ。

私は傘を差し、庭を小走りで駆け抜け車道に出た。