俺は椅子から立ち上がると、由乃の隣に進んだ。
向かい合う俺たち。
お揃いの赤い指輪を堪能したい。
そんな願望に襲われた俺は、自分の左手で由乃の左手を握りしめる。
「なんか、恥ずかしいね」
「みんなの視線なんて、無視すればいい」
「それもあるんだけど……」
「ん?」
「勘違い……しちゃうんだ……」
「何を?」
「クラスメイトに見守られながら……してるみたいだなって……結婚式……」
「えっ?」
「指輪の交換……ぽくて……」
俺に左手を握られながら、恥ずかしそうにうつむく由乃。
――なんだこの、可愛すぎる生き物は!
俺は大好きな子の恥じらう姿を、瞳に焼き付けたくてたまらない。



