由乃がもっと俺に心を開いてくれるように、優しさと甘さを振りまかないとダメか。
由乃が結んでくれた真っ赤なリングを見つめながら、溜息を吐いた俺。
でも……
「私、間違っていたことに気が付いたんだ」
何かを訴えかけるような強い意志を宿した瞳で、由乃は俺を見つめてきて
「神様が運命の赤い糸を結んでくれるのを待ってるだけじゃ、ダメだって。大好きな人の心をつなぎ留めておくためには、自分自身で一生懸命努力しなきゃいけないって」
拳をブンブン振りながら、情熱的に訴えてきて
「だから……ずっと一緒にいたい黒岩くんの指に、赤い糸を結んでみました……」
声の勢いを弱らせながら
「あっでも、ほどいちゃってもいいからね……私が勝手に結んだものだし……100均で買ったただの毛糸だし……」
自信なさげに瞳を陰らせたから、俺は言葉に詰まってしまった。



