「由乃にお礼を言いたかった。顔を見て直接。
でもさ、表彰式が終わって応援席まで駆け上がったのに、由乃はどこにもいなかった」
「ごめんなさい。卓球台があいたよって呼ばれたから、お父さんと卓球ルームにこもっちゃって」
「由乃との出会いをなかったことにしたくなくて、俺が由乃からシャトルを受け取った場所で写真を撮ってもらうことにしたんだ。さすがに一人で写るのは恥ずかしすぎだったから、バド仲間も一緒に入ってもらったけど」
ということは……
黒岩くんの机に飾ってあったもの……
「私との思い出の場所で撮った、写真だったんだね」
「俺が映子を好きとか勘違いされて、ほんとショックだったし」
「ごっ、、、ごめんなさい。だってあの時は……黒岩くんと映子さんに赤い糸が結ばれていたから。つい……」
「今も見える?」
「えっ?」
「俺の左手。誰かと赤い糸で結ばれてる?」
「今は……何も見えない……」
「だろうね。俺は映子にはっきりと伝えたから」
「?」
「俺が自分の人生をかけて愛し抜きたい女は、由乃だけだって」



