「俺はこの子が好きだ。そう思ったら、別のアドレナリンが湧き出てきた。
好きな女にダサい試合なんか見せられないって思ったら、なぜか相手のプレーが冷静に読み取れるようになった。
逆転優勝できたのは、由乃のおかげ。あの時はありがとう」
私を見上げる黒岩君に、私は両手を小刻みに振ってしまう。
「わわわ……私はただ、すっごく頑張ってる男の子を応援したくなっちゃっただけで」
優勝できたのは、黒岩くんが最後まであきらめずに戦い抜いたからで。
「勝利に導く女神って、本当に存在するんだなって感動した。
気づいたら応援席の由乃に向かって、柄にもなくラケットを振ってた。
バド仲間にいじられたよ。勝っても笑わないクール男子のくせに、今日ははしゃぎすぎじゃない?って」
私はただ、応援しただけだから。
女神じゃないから。
ほめ過ぎだよ///



