沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません

脳内スクリーンに映し出された、5年前の思い出。


無くしていた記憶のピースがピタリとはまり、私は2階のベランダから黒岩くんに微笑んだ。



「小6の時。私がシャトルを投げた相手は、黒岩くんだったんだね」


「やっと思い出したんだな」


「うん」




「遅すぎ」と、鼻で笑った黒岩くん。



苦い過去を思い出すかのように、悲しげな視線を空に向けている。



「あの大会は、俺が優勝して当たり前って言われてたんだ。それなのに決勝戦では、点が全然入らなくて。俺はミスばっかりで」


「……」


「絶対に勝ってやる! その思いが強すぎて、空回ってたんだろうな。必死にシャトルを追いかけても拾えない。強力なスマッシュを打っても決まらない。でも周りからの期待は、絶対に裏切りたくない。ほんと壊れてたよ、コートに立つ俺の精神状態」


「……」