見ているだけで、私は何もできなかった。
どんな言葉をかければ、お母さんが喜ぶのかもわからなかった。
必死に戦っている人を、見守ることしかできなくて。
悔しくて……
だから私は今、強く思うんだ。
もがき苦しみながらも諦めず、一生懸命シャトルを追いかけているこの男の子を、精一杯応援したいなって。
もちろんわかっているよ。
コートを走り回っている男の子は、赤の他人だって。
別に病気なわけじゃない。
この試合に負けたからって、お母さんみたいに天国に旅立つわけじゃない。
わかっているけれど……
嫌なんだもん。
お母さんに何もできなかったあの時の自分が、今、責められているみたいで。
心がギューギューって、締め付けられちゃうんだもん。



