沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません



「由乃ちゃんが傘を貸してくれた日ね、私、七瀬くんにフラれたの。由乃ちゃんのことが好きだから、付き合えないって七瀬君に言われて」


「……」


「傘を貸すなんて性格良すぎだよねって、七瀬くんが由乃ちゃんをほめたの。だから私は、悲しくなっちゃって。嫉妬で苦しくなっちゃって。誰かに助けて欲しくて……それで……」


「……」


「道で会った夏希ちゃんに失恋の辛さを吐き出したら、学校中に噂が広まっちゃったんだ。由乃ちゃんが悪いって……」


「……」


「でも私ね、由乃ちゃんを嫌いだって思ったこと一度もないんだよ。今まで同じクラスになったことないから、あんまり話す機会がなかったけど。いつもニコニコしてるし、誰にでも優しいし、友達になって欲しいなってずっと思ってた。だから七瀬くんの誕生日に、私のために由乃ちゃんが傘を貸してくれたことが本当に嬉しかったんだ」


「……」


「フラれたことは辛すぎたけど、土日に泣きまくってカラオケで叫びまくったら案外スッキリして。月曜日には普通に学校に行ったんだ。そしたら由乃ちゃんの悪口というか、とんでもないデマが広まってて。事実と違うよって否定できなくて。同調しないと女子達に睨まれるような雰囲気で…………」