「………悪い、帰るわ。」 「えっ…?ちょ、佑斗っ」 カバンを手にとって 千紗の声に振り返ることなく家を出た。 バタンとドアが閉まり、俺は大きく息を吐く。 少しでも意識してくれたらと、そう思って距離を詰めた。 今の千紗は俺が強引に距離を詰めすぎたせいで距離感がおかしくなってるだけ。 望みは、ない。 「そろそろ諦めないとな…」 ボソッと呟く。 嫌われるくらいなら この想いを押し殺す方がマシだ。