「………ダメかな?」



佑斗の目をちゃんと見る。


佑斗はずっと私を見ていた。



「………、……いいよ」

「ほ…ホントに!?」

「うん。けど、」



ハンカチを持つ手。

その手を佑斗に掴まれてしまうとグッと引かれた。


グラッと傾いた身体は佑斗の元へと1歩近づく。


至近距離になってから佑斗は言った。



「今まで通りなら、キスもしていいってことだよな?」

「………………え?」

「昨日千紗言っただろ。キスしたいって。幼馴染の俺に。」

「っ………言ったけど…」

「なら。」



佑斗の反対の手が後頭部に回って

グッと再び距離が縮まった私達は

昨日のように、吐息が触れてしまいそうな距離で。




「今まで通り、俺は千紗に触れるよ」




キス


されてないのに
されたみたいな


そんな感覚が、伝わった。