「わぁあああああ!!!」



思い出してまた叫ぶ。

そして叫びながら家の階段を駆け登った。

家に居たママに「うるさい!」って怒られたけど今はどうでもいい!!!!


自分の部屋のドアを勢いよく閉じて

私はドアに身を任せながらズルズルと床へ崩れ落ちた。


そして自分の手でそっと唇に触れてみる。


違う。こんな感覚なんかじゃない。



(もっと柔らかくて温かくて…)



あの頃のこと。

初めてキスをした時のことが鮮明に蘇る。


あの時のキスは何とも思わなくて、ドキドキもしなくて。


特に変わらなかったのに……



心にあるふわふわとした気持ちが一体なんなのか


もう気づいているし分かってる。


私、佑斗のこと───…








「好きなんだ……」