「千紗?」

「! えっ、あ、なに!?」



名前を呼ばれてハッとすれば、一気に現実に引き戻される。



目の前には佑斗の顔。


高校生になった佑斗が私の顔を覗き込んでいた。



「どした?」

「ごめんごめんっ なんでもない!
眠たくてぼーっとしてただけだから!!」

「そ。ならいいけど」



くしゃり。佑斗の手で頭を撫でられる。

ショートヘアの髪が少し乱れた。



「教えてくれてありがと。」

「どういたしまして〜」



自分のクラスに戻っていった佑斗に手を振る私。


あの頃私達はキスをした。けど、関係性は高校生になった今でも変わらず続いてる。


唯一変わったといえば



「(佑斗デカくなったな〜)」



佑斗の身長が伸びたくらい。