「え? 貸してくださるんですか?」
「うん、いいけど?」
カインはなんでもないことのように頷く。
「……っ、ありがとうございます!」
ベアトリスはパッと表情を明るくする。
(こんなに簡単に目論見が成功するなんて!)
なんて幸先いいのだろう。これはきっと、素敵な本を入手できること間違いない。
カインはごそごそと足元の辺りを探り、何かを取りだした。
「はい。どうぞ」
「え? もう用意しているんですか?」
「うん」
カインが差し出したのは、指輪だった。薄紫色の石が白金の土台に飾られている。
(指輪なんだ)
ジャンがつけている魔道具は耳飾りなので、ベアトリスは意外に思う。
「これを付ければ姿が変えられるんですか?」
「うん」



