「魔道具について教えてほしいんです」
「うん?」
「アルフレッド殿下がジャン団長に姿を変えているのって、魔道具の効果ですよね? あの魔道具って、もうひとつないんですか?」
アルフレッドが魔道具でジャンに姿を変えて好きかってしているなら、ベアトリスが姿を変えて好きかってしても何も言えないはずだ。
ベアトリスは期待に満ちた目で、カインを見つめる。カインはベアトリスを見返し、小首を傾げる。
「あるよ」
「あるんですか!?」
ダメ元で聞いたので、思わぬ答えにベアトリスは身を乗り出す。
「うん。ちょうど今朝、同じものが完成したところで──」
「それ、少しだけ貸してください!」
なんというグッドタイミング!
このチャンスを逃すまじと、ベアトリスは勢いよくカインに迫る。
「うん」
「お願いです! この通り」
「うん」
「絶対にかえしますから──……って、え?」
必死に頭を下げていたベアトリスは、驚いてカインを見つめる。てっきり断られるとばかり思っていたのに、今『うん』と言った気が……。



