俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


 不機嫌そうに言うジャンは、まっすぐにベアトリスを見下ろす。そして、ドアノブに手をかけた。

『……開かないな』
『そうなんです。閉じ込められました!』
『表にいた衛兵はどうした?』

 ジャンは不機嫌そうな顔をしたまま、ベアトリスに問いかける。

『そんな人いませんでしたよ! ローラが現れて、わたくしをここに閉じ込めたんです』
『ローラ? ビショップ子爵令嬢か?』

 押し問答をしていると、『ここです。来てください!』と大きな声で叫ぶローラの声が扉越しに聞こえてきた。
 ジャンはその声を聞くと、何を思ったのか耳に付けていた魔道具のピアスを外す。

『ベアトリス』

 突如体を抱き寄せられ、そのまま壁に押しつけられる。
 髪の毛をぐしゃりとなで回され、秀麗な顔が近づき首元にチクンと痛みを感じた。

『開いたわ! ベアトリス妃殿下が』

 ローラの声がして、部屋の中に複数の人がなだれ込んでくる。

『騒がしいぞ』