俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


 さっき、眠る前にソフィアから勧められた飲み物のことだろうか。
 アルフレッドの片手が伸びてきて、ベアトリスの頬に触れる。じっと見つめられ、何をされたわけでもないのに、触れられた頬に熱が集まるのを感じた。
 赤くなるベアトリスを見て、アルフレッドはフッと笑う。

「心配だから、しばらくは毎日来る」
「お忙しいでしょうから大丈夫です」

 ベアトリスは首を横に振る。

「俺の妃は素直じゃないな」
「只でさえ王太子殿下として朝から晩まで執務がぎっしりなのにひとり二役をこなすなんて。わたくしのことまで気にしていたら、体を壊しますよ」
「心配してくれているのか?」
「休めるときは休むべきです。殿下だってひとりの人間でしょう? あまり無理すると体に祟ります」

 ベアトリスの言葉にアルフレッドは驚いたように目を見開く。
 そして、口元にわずかな笑みを浮かべた。

「それはベアトリスも同じだろう? 王太子妃と錦鷹団の秘書官のひとり二役をこなしている」
「わたくしは大丈夫です。上司が昼も夜もわたくしの様子をうかがって、無理がないぎりぎりのラインで仕事の量を調整しているようなので」

 つんと澄ましてそう言うと、アルフレッドは口元の笑みを深める。