俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


「行ってきます」
「行ってらっしゃいませ。楽しんで」

 馬車に乗り込んだベアトリスが窓から片手を振ると、ソフィアを始めとする使用人達は笑顔で手を振り返してくれた。



「さてと。ブルーノはどこかしら?」

 王宮に到着したベアトリスはすぐにブルーノの姿を探した。

 会場には多くの貴族達が集まっていて、そこかしこから歓談の声が聞こえてくる。大きなシャンデリアが高い天井からいくつもぶら下がり、金色に塗られた壁の枠に光が反射する。その枠の中には精緻な絵画が描かれていた。

「あ、ブルーノ」

 ベアトリスは婚約者の姿を見つける。少しだけくせのある茶色の髪が見えた。横には、見覚えがある女性が立っている。

「なんだ。ローラと一緒だったのね」

 ブルーノの隣にいるのは、ベアトリスの友人であるローラだった。美しい金髪をハーフアップにして纏め、キラキラと輝くダイヤの髪飾りを付けている。