そしてそのまま帰り道をたどる。


 その道中で、また私はとある事件に巻き込まれることになる。



 なんと、なんと。

 私の前方、制服のまま歩く羽花ちゃんのとなりに。


 怪しげな男が1人、立っていた。



「あやしい……」


 だって、どうみても寄り添って歩いている。

 距離感が他人じゃない。



 もしかして通話相手の人なんじゃ…??


 そう思ったら、それ以外の考えなんてひとつも思い浮かばなくて。


 私の頭に浮かんだのは、


「羽花ちゃんのこと、助けなきゃ…!!」



 これだけ、だった。


 わりと長身。格好からして大人の人だ。

 顔はよく見えないけれど、なんだか危ないにおいがする……。


 私は人混みをかき分けながら二人に近づいていって、はしっと羽花ちゃんの腕を掴んだ。