よく晴れた月曜日。


 朝、校門へと続く並木道を歩いていた私は、ふと自分の視線が誰かを探していることに気付いた。

 ひょろりと伸びたうつむき加減の後ろ姿。

 ソックスがずり下がるほど細い足と、大きな革靴。


(――黒崎くんだ)


 自覚したとたん体温が上昇した、気がした。