雪乃は黒崎くんが嫌い……なんだと思う。
というか、誰に対しても無愛想で授業にもあまり出ない黒崎くんはクラスで完全に浮いているから、みんな当たり前に悪口とか言っていて。
いい子ぶっていると思われそうで言えなかったけど、私はそういうのが苦手だった。
「全然。下心どころか避けられてる」
「黒崎が?桂を?なまいきー」
「でも、黒崎くん親切だよ。傘一本しかないのに、私に使えって」
小鹿みたいな大きな目が冷ややかに細められる。
「あのね、不良がたまたま席をゆずってもいい人ってわけじゃないんだよ。普段のあいつを思い出してみ? 自分以外はどうでもいいみたいな態度でさ、何しても許されると思ってるんだって」
「そこまで言わなくても……」
「桂だってさっき何か腹立ちそうなこと言われてたじゃん。なんだろ、上の二人が聖人だから、弟がバランス取ってるのかね」
「今お兄さんは関係ないでしょ」
というか、誰に対しても無愛想で授業にもあまり出ない黒崎くんはクラスで完全に浮いているから、みんな当たり前に悪口とか言っていて。
いい子ぶっていると思われそうで言えなかったけど、私はそういうのが苦手だった。
「全然。下心どころか避けられてる」
「黒崎が?桂を?なまいきー」
「でも、黒崎くん親切だよ。傘一本しかないのに、私に使えって」
小鹿みたいな大きな目が冷ややかに細められる。
「あのね、不良がたまたま席をゆずってもいい人ってわけじゃないんだよ。普段のあいつを思い出してみ? 自分以外はどうでもいいみたいな態度でさ、何しても許されると思ってるんだって」
「そこまで言わなくても……」
「桂だってさっき何か腹立ちそうなこと言われてたじゃん。なんだろ、上の二人が聖人だから、弟がバランス取ってるのかね」
「今お兄さんは関係ないでしょ」
