病院を出たあと先生の車に乗り込んだ。

「退院おめでとう、本当によく頑張った。」

「もう一生、入院しない」


ご飯は美味しくない
同じ部屋で他の人がいて
いろんな機械音がする

ゆっくりなんかできない

「まぁとりあえずは通院で何とかしよう。
薬でコントロールできたらいいんだけどな」



行き先は以前連れてってくれた回らないお寿司

体調崩してあんま食べなくなってから胃が小さくなって前より少食になった。

「食べる量へったな。」

「うん...食べたいけど食べれない」

「それさぁ一人暮らし結構、大変だな」

「え?」

「また低血糖なって意識飛ぶ」

「気をつける..」

退院してもどこまでも医者。
私の体調しか気にしてない。

確かに仕事も始まるし食生活気をつけないとな。

「すずさぁ
入院中、2人でお話しした場所覚えてる?」

「うん」

「あそこ俺の部屋なんだ
家に帰らず寝泊まりしてる場所。
病院っぽくないだろ?」

「マンションの一室みたいだった。
医者全員にあんな部屋、もらえるの?」

「んなわけ...俺の親父あの病院の院長だからな、俺は特別」

「?」

何ゆってるのこの人

「すずが入院してた病院の名前、橘総合医療センター。
俺のじいちゃんが建てた病院でいまは俺の親父が院長してる。」

「え?じゃあ次は...」

「そうだな、次は長男の俺だな」

驚きすぎて言葉がでない。
そんなすごい人に目をつけられたのか

あんないい車に乗ってるのも納得

「明日から仕事行くんだろ?
あの部屋から仕事行ってあの部屋に帰ってくるようにしてほしい。俺の近くでもう少し管理したい。」

「病院に泊まるってこと?じゃあ退院の意味ないじゃん」

「あそこの部屋は病室じゃない、俺の部屋。必要な時だけ必要な検査や治療をする。入院じゃなく通院だ

本当は行ってほしくない
どうしても行きたいなら条件はそれかな。」