どうすればあの人を説得させて病院に行くのを回避させるか考えてる間に白のスポーツカーが目の前に止まった。

誰がどう見ても高級車

窓が開いた
「助手席に乗って」

私に声をかけた。

救急車よりは乗り心地良さそう
なんて思いながら渋々、助手席のドアを開けて乗り込んだ

「病院行きたくないです」

「なんで?」

「嫌いなんです」

「病院が好きな人なんかいないよ」

「病院行かなくても休んでたら治るんで」

「だめ。医者の目は誤魔化せない」


運悪いなぁ。こんな強引な医者に捕まるなんて。

俯きながら逃げ方をひたすら考えた

「腎臓の病気?」

「え?(なんでわかるの怖い。)」

「ははっ、医者を舐めるな」
笑いながら私の頭に手を置いた。

「すぐ着くから休んどきな」 

頭を手を置かれ胸が締め付けられた。
今までなかった症状。
おかしい、心臓は悪くないはず。

車は私が抵抗する隙も与えられず病院に着いた