○橘サイド○

「すず、ちょっとまっ...」

「橘先生、ずっとここにいて。
じゃあないと私検査頑張れない〜」

「ごめん、それはできない。俺もたくさん患者さんいるからさ。
なんかあったら看護師に言ってくれたらいいから」

すずをすぐに追いかけようとしたが中山さんに阻まれた。

「じゃ萌、検査しなーい」

いまこの子には検査は必要でして欲しい。
そのために入院してもらった。

部屋がこの部屋しか空いてなくて
仕方なくすずと同じ部屋にしたが思ったより強烈だ。

昨日の夜からすずの様子もおかしいし
なんとかしないといけないのに
それどころじゃなくなった。

すずを俺の部屋に戻すにはまだ熱が下がりきってない。

「先生!!!ここにいてよ、ね?
萌、検査頑張るからさ!」

「あっ中山さんちょっと待ってて。

真由、翔太!」

いいところに2人揃って廊下を歩いていた。

部屋から2人に声をかけたら
入ってきてくれた。

翔「あれすずは?」

「今さっきどっか行った。
院内にいると思うんだけど連れ戻して。
まだ熱下がってない」

翔「なんか昨日の晩から様子変だよな、すず」

「俺の部屋に戻れなかったからだろう」

「先生〜!!!
橘先生〜!はやく!萌の相手してよー」

真「誰?」

「おれの担当してる患者」

真「すごい子だね。」

翔「なんでこの部屋にいれた?」

「ここしか空いてなかった。」

真「すずちゃんがいなくなった原因...じゃない?」

「ねぇ、先生ってば。萌の所きてよ」


中山さんが俺の手を引っ張った。

「とりあえずすず頼んだ。」

2人に今は託すしかない。
バイ菌がまた入って熱上がらないように
早く連れ戻したい。