誰とも会話しないまま
昼前になった。

部屋が急に騒がしくなった。

「やだやだ!入院しない!!!」

看「検査入院で2日だから、ね?」

「いやだー。橘先生よんでよー」


海斗の患者さんなのか。

うるさいけど私もこんな感じなのかな
ご迷惑。


「私、橘先生じゃないと何もしないからー!!!」

海斗の名前を聞きたくないのと
うるさくて頭が割れそうで部屋を出ようとした。

ベッドを降りてカーテンを開けるとばったり海斗にあってしまった。
今日初めて顔を合わせた。


きっと私に用事じゃない。

入院してきた子に用事でしょ

すぐ目をそらして部屋を出ようとした。

「待てよ」


手を掴まれた。

「やめて。」

手を振り払った

「あっ、橘先生〜!!!
萌(もえ)会いたかった〜
寂しかった〜」

勢いよく海斗に抱きついた。

びっくりして振り向いてしまったが
満更でもない海斗の態度に腹が立って部屋を出た。