「なぁすず大事な話してもいい?」

海斗のこの話始めは真面目な話


「私にとっていい話?悪い話?」

「透析の話。」

「...」

「こないだ早く決めてって言ったこと後悔してんだ。ごめんな。大事なことなのに早くは決めれないよな。すずがちゃんと覚悟決めるまで待つから。」

意外な話だった
ごめんって言ってくれた。
透析して欲しいって話だと思ってたのに

私もちゃんと向き合わないと

「私なりに色々調べたんだけど調べれば調べるほど怖くなって。」

「そうだよな。なんでも答えるから。調べてもわからないことあったら聞いて。」

「うん」

「でも一つだけお願いがある。」

「なに?」

「こないだ仕事中に倒れたときみたいに俺が近くにいないタイミングで意識なくなったときは透析に踏み込んで欲しい」

「...」

「怖いんだ。誰も助けられない状況で倒れてすずがいなくなると思うと怖い。透析すると倒れるってことが少なくなる」

「...海斗がいない時は気をつける」

「ってことはその約束はいい?」

「次倒れたら透析を前向きに考えるから...手術とか少し心の準備が欲しいから...すぐには...」

「もちろんちゃんとそのときのすずの気持ち聞いてからするよ。無理矢理は絶対しない。」

「わかった...」

「覚悟決まったら教えて。待ってるから。
透析をするのはすずが覚悟決まった時か俺がいないところで倒れた時。
よしこの話終わり。もうしない。」

日が完全に沈むまで私の手を握ってくれた。

心臓がどくどくして絶対に隣の海斗に聞こえてる。

「すず、可愛い」

「ドキドキ止まらない。」

「好きだよ」

柔らかい唇が私の頬に触れた。

初、海斗とのキス。
優しかった。