その手は、何も掴めなかった。リュアンの体を温かいものが囲み、瘴気を遠ざけてくれる。でも、セシリーの体は、どこにもない……。
リュアンは……喉を震わせた。
「なんで……なんで待っててくれなかったんだよ。本当のことをどうして、話してくれなかった。その石の力を借りれば……お前は一人で無事に暗黒を、消すことができるってそう、言ったじゃないか! 自分まで消えるだなんて……。今、お前の体はどこにあるんだ!」
「ごめんなさい……どう伝えたらいいのか、わからなくて」
「ごめんなさいじゃないだろうが! 今すぐ止めろ! 戻って来い! こんなもの、後はどうとでもなる……! お前がいなくなったら、俺は……俺はまた」
「リュアン様! 私のこと、信じてくれていますよね?」
「当たり前だろ!」
「なら話を聞いてください!」
「……っ。話して、くれ」
セシリーは時間が無いと、リュアンの胸にそっと手を触れる仕草をした。すると、リュアンの頭に、セシリーの意志が流れ込んできた。
リュアンは……喉を震わせた。
「なんで……なんで待っててくれなかったんだよ。本当のことをどうして、話してくれなかった。その石の力を借りれば……お前は一人で無事に暗黒を、消すことができるってそう、言ったじゃないか! 自分まで消えるだなんて……。今、お前の体はどこにあるんだ!」
「ごめんなさい……どう伝えたらいいのか、わからなくて」
「ごめんなさいじゃないだろうが! 今すぐ止めろ! 戻って来い! こんなもの、後はどうとでもなる……! お前がいなくなったら、俺は……俺はまた」
「リュアン様! 私のこと、信じてくれていますよね?」
「当たり前だろ!」
「なら話を聞いてください!」
「……っ。話して、くれ」
セシリーは時間が無いと、リュアンの胸にそっと手を触れる仕草をした。すると、リュアンの頭に、セシリーの意志が流れ込んできた。



