「選ばれたあなたには分からない、僕らみたいな凡人の気持ちが! 望めばなんだって……地位も名誉も、強さも美しさも、高潔な志すら手に入るくせに! さぞかし僕は無様に見えるでしょうね! ずっとあなたに近づきたくて、必要だって言われたくてやってきたけど……でももういい! 僕の方が優れていることさえ証明すれば……セシリーも、きっとこっちを振り向いてくれる!」
強力な魔法には、長時間の詠唱や多大なる魔力の消費、制御の困難さなど相応のリスクがある。明らかに御しきれておらず、腕を火に包まれながらもラケルは魔法を止めようとしない。だがこちらも雷の盾がたわみ、漏れ出す熱気で肌が炙られ始めた。
どうしようもない状況だが……しかし膝が折れそうになりながらも、リュアンは諦めることだけはしない。
「俺はそんな奴じゃない! ちっぽけで卑屈で、誰かに背中を押して貰えないと一歩も進めないような弱い奴だ! でも、今は……少しだけ強くなれたって感じてる! それは今までの幾つもの出会いが俺に色々な物を与えてくれたからなんだ! 故郷の人、この国の仲間たち……セシリーや、そしてリルルやお前も……! お前だって、自分にしかない出会いがあったはずで、俺たちにとって誰にも変えられない特別な存在なんだ!」
強力な魔法には、長時間の詠唱や多大なる魔力の消費、制御の困難さなど相応のリスクがある。明らかに御しきれておらず、腕を火に包まれながらもラケルは魔法を止めようとしない。だがこちらも雷の盾がたわみ、漏れ出す熱気で肌が炙られ始めた。
どうしようもない状況だが……しかし膝が折れそうになりながらも、リュアンは諦めることだけはしない。
「俺はそんな奴じゃない! ちっぽけで卑屈で、誰かに背中を押して貰えないと一歩も進めないような弱い奴だ! でも、今は……少しだけ強くなれたって感じてる! それは今までの幾つもの出会いが俺に色々な物を与えてくれたからなんだ! 故郷の人、この国の仲間たち……セシリーや、そしてリルルやお前も……! お前だって、自分にしかない出会いがあったはずで、俺たちにとって誰にも変えられない特別な存在なんだ!」



