どこからか発されたささやかな光を頼りに、セシリーは闇を掻き分けてゆく。
そしてやがて、見上げるほどの大きな白砂が固められて出来た柱が見えてきた。
全体がほのかに輝き、上端付近から瘴気を吹き出しているそれは、見方によっては大地から魔力を吸って成長した大樹にも見えなくもなく、月精の森で見た女神の依り代と重なる雰囲気があった。吸い寄せられるようにゆっくりとセシリーはそれに近づいたが、人影に気づいて途中で足を止める。
「いらっしゃい、セシリー」
柱の根元に足を折りたたむように座っていたのはエイラだった。小さな黒蛇は袖口に滑り込むように消え、彼女は立ちあがるとこちらへと向かってくる。包帯が巻かれた左肩の傷が痛々しいが、その表情からは親愛の情すら感じられ、敵意があるようには見受けられない。
何を話せばいいのか咄嗟には浮かばなかったセシリーは、ついさっき浮かんだ疑問を解消しようと尋ねた。
「なぜ私をここへ?」
そしてやがて、見上げるほどの大きな白砂が固められて出来た柱が見えてきた。
全体がほのかに輝き、上端付近から瘴気を吹き出しているそれは、見方によっては大地から魔力を吸って成長した大樹にも見えなくもなく、月精の森で見た女神の依り代と重なる雰囲気があった。吸い寄せられるようにゆっくりとセシリーはそれに近づいたが、人影に気づいて途中で足を止める。
「いらっしゃい、セシリー」
柱の根元に足を折りたたむように座っていたのはエイラだった。小さな黒蛇は袖口に滑り込むように消え、彼女は立ちあがるとこちらへと向かってくる。包帯が巻かれた左肩の傷が痛々しいが、その表情からは親愛の情すら感じられ、敵意があるようには見受けられない。
何を話せばいいのか咄嗟には浮かばなかったセシリーは、ついさっき浮かんだ疑問を解消しようと尋ねた。
「なぜ私をここへ?」



