からくも受け止め、離れてゆくセシリーの姿を見ながら続く攻撃をかわすリュアン。そうして逃げ去る大蛇と自分との間に立ち塞がった部下の姿を、彼は苛立たし気に咎めた。
「ラケル……どうしてお前が!」
「追わせませんよ、団長……。ここであなたとの決着をつけ、彼女にふさわしいのは僕だと証明させてもらう!」
「やはり、お前はセシリーを……」
赤い目を爛々と光らせると……ラケルはかつての憧れに剣を付きつけ、尋常でない速度で襲い掛かった。
◆
――ドポッ……!
大蛇と共に封印の膜が覆う瘴気の中に飛び込んだ時、まるで汚泥の中に突き落とされたような不快な感覚がセシリーを襲った。息を吸う度に体の中の魔力が荒れ狂うのを感じて、吐きそうになりながらもセシリーは、身に付けていた小さなポーチから銀の手鏡を取り出して祈る。
「ラケル……どうしてお前が!」
「追わせませんよ、団長……。ここであなたとの決着をつけ、彼女にふさわしいのは僕だと証明させてもらう!」
「やはり、お前はセシリーを……」
赤い目を爛々と光らせると……ラケルはかつての憧れに剣を付きつけ、尋常でない速度で襲い掛かった。
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――ドポッ……!
大蛇と共に封印の膜が覆う瘴気の中に飛び込んだ時、まるで汚泥の中に突き落とされたような不快な感覚がセシリーを襲った。息を吸う度に体の中の魔力が荒れ狂うのを感じて、吐きそうになりながらもセシリーは、身に付けていた小さなポーチから銀の手鏡を取り出して祈る。



