「私も知り合いの方にお会いできて嬉しいです。あの……先日頂いた魔法の飴が凄く役に立って。ありがとうございました」

 何の事かわからないというように首を傾げるジョンに、セシリーはお土産に持たせてくれた飴玉が、ルバート救出の際に役に立ったことを明かす。

「ぜひうちでも取り扱ってみたいのですけど……でもその、販売するにはお味だけもう少しどうにかできないかな~と思いまして」

 セシリーが言った言葉に彼は大きく破顔することとなった。身体をくの字に折り、目の端に涙まで浮かべている。

「わーっはっは、そうですか! 試作品でろくに調整もしていないし不味かったでしょう。実はあれね、元は幼かったラケルが悪戯した時の仕置き用に開発したものだったのですよ。あの小僧め、昔っから注意散漫で瓶は割るし、鍋は焦がすし、配達に行けば帰って来ないし、とんだ悪ガキでしてなぁ……。まあでも、そういうことなら、少し考えてみますか……」