冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「おほっ……うふっ……――――……そろそろ時間じゃない?」
「あらいけない。行きましょう行きましょう」

 淑女としての嗜みをエイラに叩きこまれていると、すぐに時間は過ぎて夕方になり、セシリーはエイラと共に馬車にいそいそとその身を詰め込んだ。



 そして、馬車から降りたセシリーは王都で一番高い時計塔を見上げながら胸に手を当てる。心臓が早鐘のように波打つのは、辺りの参列者に当てられているだけではないのだろう。

 普段は時計塔は途中の階までは一般客にも開放されているが、本日に限っては貸し切りらしく、入り口前で王国兵とが関係者以外が立ち入らないように見張っている。

 次々と吸い込まれてゆく派手派手しい服装の貴族たちを目にしながら待っていると、わっと後ろから華やかな嬌声が上がった。