冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「「ハハッ!」」
「へ、陛下お許しを! 僕は何も知りませんでした! あ、あの偽物が全て仕組んでやったことで……! ほ、本当の父を連れて来てください!」

 そんな彼に容赦なく王太子が冷たい言葉を投げつける。

「残念だが、君の父親はお加減が悪く所領の城にて臥せっておいでだそうだぞ。全く、そんな時に王都で国家転覆容疑で捕まるなど、とんだ親不孝者だな。呆れたものだ」
「な、なんだと……」

 衛兵がロープで彼の身体を縛り上げ、マイルズは苦痛に呻きながらも自分の罪を否定する。

「う、嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ……! やめろ、僕は悪くない! 僕はあのイーデル大公爵家の嫡男なんだ……その存在だけで、王国民一万人分の価値がある人間なんだぞ! それを少しくらいの罪で裁こうだなんて、なんと愚かで馬鹿げたことだ! 僕のような優秀な人間を失うことが、国家にとって大いなる損失であることは、誰の目にも明らかでしょう! 陛下、今すぐその御判断をお改めください!」