冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「ええ、おそらくは……。ですので封印が弱まり切る前に、わたくしたちは全ての準備を整え、両国の時計塔よりそれぞれの女神と石の力を借りて、封印の祈りを捧げます。ひたすら心を清らかに保ち、封印が完成するまで何時間も、何日も一心に祈らなければならない。過酷な務めとなりますが、いけますわね?」
「……はい! やってみせます……それが私の役割なら」

 力強く頷くセシリー。フレアはそんな彼女を見て、満面の笑みを浮かべた。

「その意気やよし! やっぱりあなたとは気が合いそうですわ! これからはそちらの殿方とご一緒でなくても、わたくしの友人としていくらでもこのお城に遊びに来てくださいまし! 大歓迎いたしますわよ、おーっほっほっほ!」
「こらこら、あまり羽目を外さないでくれよ? とはいうものの、私もあなたたちとは友人付き合いを続けてもらえると嬉しい。後で太陽の眷属にも紹介したいしね。サニアっていう黒猫の姿をした精霊がいるんだ」
「それはわたくしが教えたかったですのに……」

 口を尖らすフレアになんとなく親近感が湧いて、セシリーも負けじと月の眷属の、あの食いしん坊狼を話題に出した。