冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「だが……俺の出自がここに来て、団の足かせになるなんて……。せっかく皆と一緒にここまで大きくして、やっとこれからだって時に」

 リュアンの背中に手を当てて励ますセシリーの姿にフレアが少しだけ笑みを深くした。そんな中キースが訝しんだ表情で眼鏡を押し上げる。

「穏便に済ませられるならと、なにか交換条件をとも考えてみたのですが……損得勘定ではなく私怨元に発した行動ですからそれも難しいでしょうね。……しかし、イーデル公爵に関し私は所領に関しては非常に優れた統治をなさる方で、民の信頼も厚いと聞いていたのですが。息子への侮辱があったとはいえ、こんな軽率な行動を起こされるとは……。レオリン様、何かお聞きではありませか?」

 レオリンもキース同様、疑念は拭えない様子だ。

「ああ……私もイーデル公には強く信頼を置いていたのだが、最近聞く彼の噂はあまり好ましいものではない。とはいえ、本人に直接問うこともできなくてな……」

 彼は憂いの深い表情になりながらも、リュアンたちを力強く鼓舞した。