そもセシリーが向こうで彼と会ったのはジェラルドとレオリンの面談時と、帰る前に顔を合わせた時の二回くらいだ。その間彼の心境にどんな変化があったのかは想像もつかない。
心配するふたりにエイラがそっと声を掛けた。
「ま、年頃だしなんやかんやあるわよね。あまり根掘り葉掘りも聞けないから、今は様子見かな。いこっか。せっかくのお茶が冷めたらきっとキース、鬼みたいに怒るわよ?」
「そ、そうですね……」
ロージーが頭の上に二つの人差し指を立てたのにくすっと笑うと、セシリーは歩き出した。
誰にだって、そっとして欲しい時くらいある。今はそういう時なのだと割り切って、また今度会った時それとなく理由を尋ねてみようとセシリーは不安を払い執務室へと急ぐ。
「お帰りセシリーちゃん! 大変だったんだってな」
「団長のお守り、ご苦労さん」
「あはは。ただいまです!」
通路にいた他の騎士たちからの帰還を歓迎する声に笑顔で返しつつ、扉を開けた時、セシリーはどきっとする。
心配するふたりにエイラがそっと声を掛けた。
「ま、年頃だしなんやかんやあるわよね。あまり根掘り葉掘りも聞けないから、今は様子見かな。いこっか。せっかくのお茶が冷めたらきっとキース、鬼みたいに怒るわよ?」
「そ、そうですね……」
ロージーが頭の上に二つの人差し指を立てたのにくすっと笑うと、セシリーは歩き出した。
誰にだって、そっとして欲しい時くらいある。今はそういう時なのだと割り切って、また今度会った時それとなく理由を尋ねてみようとセシリーは不安を払い執務室へと急ぐ。
「お帰りセシリーちゃん! 大変だったんだってな」
「団長のお守り、ご苦労さん」
「あはは。ただいまです!」
通路にいた他の騎士たちからの帰還を歓迎する声に笑顔で返しつつ、扉を開けた時、セシリーはどきっとする。



