――きゅるるるる。
「あっ!」
「あらあら……」「可愛い音がしちゃいましたね」
緊張から解放されてお腹が空っぽなのを思い出した。素直な自分の体を恨めしく思いながら、セシリーは真っ赤になってかがみ込む。
「あたし、お茶と食べ物用意してきますから、少し待っていて下さいね」
話しながらラウンジに三人で移動すると、いい匂いがした。マーシャが何かを作ってくれているらしい。彼女がお茶を淹れる間、テーブルの前に座らされたセシリーは忙しい日々を思い返す。
発端は……父と共に初めて隣国ガレイタムの母の眠る墓地へ赴いたこと。そこをジェラルドに拘束され、王都への道行きの途中……月精の森にて女神から古き世の真実を明かされた。王宮ではまさかの王妃候補とされ、離宮に入り聖女候補のふたりと出会い……ラナという少女のことを知った。魔法の修練のかたわら離宮での生活を送り、レミュールからマーシャにまつわる悲しい話を明かされ……不思議な夢を見る中今思えば、少しずつあの時から自分が、ラナの想いとどこかで同調していったように思う。彼女は最後まで自分の大切な人たちの背中を押し、この世界から旅立っていったのだ。
「あっ!」
「あらあら……」「可愛い音がしちゃいましたね」
緊張から解放されてお腹が空っぽなのを思い出した。素直な自分の体を恨めしく思いながら、セシリーは真っ赤になってかがみ込む。
「あたし、お茶と食べ物用意してきますから、少し待っていて下さいね」
話しながらラウンジに三人で移動すると、いい匂いがした。マーシャが何かを作ってくれているらしい。彼女がお茶を淹れる間、テーブルの前に座らされたセシリーは忙しい日々を思い返す。
発端は……父と共に初めて隣国ガレイタムの母の眠る墓地へ赴いたこと。そこをジェラルドに拘束され、王都への道行きの途中……月精の森にて女神から古き世の真実を明かされた。王宮ではまさかの王妃候補とされ、離宮に入り聖女候補のふたりと出会い……ラナという少女のことを知った。魔法の修練のかたわら離宮での生活を送り、レミュールからマーシャにまつわる悲しい話を明かされ……不思議な夢を見る中今思えば、少しずつあの時から自分が、ラナの想いとどこかで同調していったように思う。彼女は最後まで自分の大切な人たちの背中を押し、この世界から旅立っていったのだ。



