「よかった。自分の力で居場所を作れるようになったんだ……よく頑張ったね、レイ」
高くなったリュアンの頭に手を伸ばしたラナは、ひとしきり彼を撫でると振り返って皆を見渡す。その頃には瞳の光は揺らぎ、もう消えかけていた。
「そろそろ、行かなきゃ……。大分この子の時間を奪っちゃった……本当はこんなことしちゃいけないんだけど、あなたたちのことを見てたら、放っておけなくて。謝ってたってこの子に伝えておいて……。でも、おかげで今度は、なにも心配しないで旅立てるよ」
「ま、待って! セシリーさんの身体が駄目なら、あたしの体を使ってよ……! このまま消えてしまわないで!」
マーシャの切実な叫びを、ラナは小さく首を振って否定した。
「それは無理よ。セシリーちゃんの中に私が入れたのも、この子がとても強く皆のことを心配して祈ってくれたから……きっと聖女としての力が反応したんだ。他の誰にも代わりはできないし、それすらもう……」
ラナの身体から、ほのかな光の粒がちらちらと上がり、空へと吸い込まれて消えてゆく。それが手鏡にわずかに残されていた彼女の命の残り火なのだと、誰もが分かった。
高くなったリュアンの頭に手を伸ばしたラナは、ひとしきり彼を撫でると振り返って皆を見渡す。その頃には瞳の光は揺らぎ、もう消えかけていた。
「そろそろ、行かなきゃ……。大分この子の時間を奪っちゃった……本当はこんなことしちゃいけないんだけど、あなたたちのことを見てたら、放っておけなくて。謝ってたってこの子に伝えておいて……。でも、おかげで今度は、なにも心配しないで旅立てるよ」
「ま、待って! セシリーさんの身体が駄目なら、あたしの体を使ってよ……! このまま消えてしまわないで!」
マーシャの切実な叫びを、ラナは小さく首を振って否定した。
「それは無理よ。セシリーちゃんの中に私が入れたのも、この子がとても強く皆のことを心配して祈ってくれたから……きっと聖女としての力が反応したんだ。他の誰にも代わりはできないし、それすらもう……」
ラナの身体から、ほのかな光の粒がちらちらと上がり、空へと吸い込まれて消えてゆく。それが手鏡にわずかに残されていた彼女の命の残り火なのだと、誰もが分かった。



