冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

 戸惑う全員に、セシリーの面影を感じさせない様子で、ラナは腰に両手を当て肩を怒らせた。

「残念だよ、皆が私をそんな人間だと思ってたなんて……私ってそんなにひどい奴?」
「え……あ、いや」

 急に話を向けられ戸惑うリュアンにラナはくすっと笑った。

「ずいぶん大きくなって格好よくなった癖に、怒られると弱気になるの変わってないね、レイは。この子の大切な時間を貰ったのに……私は皆に罰を与えるとか、そんなつまんないことしに出てきたんじゃないよ」

 そして次は目の前のレミュールへと信頼を感じさせるような、はにかんだ笑みを向ける。

「ありがとうね、冷たそうな顔して世話焼き屋さんなレミュール。あなたがずっとマーシャの傍で見守ってくれてたんでしょう? あなたは我慢強い人だけど……それでも、とっても辛いことだったと思う。苦しむ人たちに寄り添い続けるのは」
「ラナ……」

 レミュールは口元を隠して俯き、ぐっと溢れるものをこらえていた。彼女を下から覗き込んで苦笑を向け、ゆっくりと円を描くように回り込むと、ラナはジェラルドとマーシャの前にやって来た。