冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

 レミュールはそっとラナを後ろから抱きしめた。

「お願い……皆を責めないであげて。マーシャもジェラルド様も、レイアム様ももうずっと長い間あなたを思って、本当に苦しんだの。だからって許されることではないけれど……」
「わかってる……」

 神妙な顔で周りを見渡していたラナは、やんわりとレミュールを押しのけてひとりひとりに一瞥を下す。……だが。

「――皆……私のことをなんだと思ってるの? 亡霊? 怨霊? 悪霊?」

 その緊迫も長くは続かなかった。

 十分に溜めを作った後、はぁーっと大きいため息を吐き出したラナは、リュアンへむっとした顔を向けた。

「ひどくない? せっかく化けて出てきて大喧嘩を止めてあげたのに、その扱い。ねえどうなの、そこの第二王子様? ええと、今は違うんだっけ?」
「ラナ……?」