毛並みも綺麗だし、敷地内で世話されていた犬が逃げ出して来たのかと、セシリーは首元を撫でてやりながら黒いスカーフの表裏を見たが、手掛かりは無い。しかし次いで耳に届いた声で、子犬の名前はすぐに知れた。
「リルル~!」
誰かが大声で叫びながらこちらに近づいてくる。白い犬も反応して顔を上げたから、きっと世話係の人に間違いないはず。
「こっちで~す、多分!」
セシリーが手を上げて知らせると、走ってきたのは、他とは違う黒い制服を着た、長めの赤髪を首元でくくった男の子だった。
体つきはやや小柄で童顔だが、明るい髪と赤目も合いまってとにかく元気そう。日差しをたくさん浴びて育った赤いアネモネのような……見ているだけで楽しくなってくる、快活な笑顔の好男子だ。
「リルル~!」
誰かが大声で叫びながらこちらに近づいてくる。白い犬も反応して顔を上げたから、きっと世話係の人に間違いないはず。
「こっちで~す、多分!」
セシリーが手を上げて知らせると、走ってきたのは、他とは違う黒い制服を着た、長めの赤髪を首元でくくった男の子だった。
体つきはやや小柄で童顔だが、明るい髪と赤目も合いまってとにかく元気そう。日差しをたくさん浴びて育った赤いアネモネのような……見ているだけで楽しくなってくる、快活な笑顔の好男子だ。



