なんというか、救いようのない話ではあった。お伽噺として残されている話しかセシリーは知らないので、リズバーンという男がどれほど悪事を働いたのかはわからないが、その果てに彼は、自分という存在すら失くし、五百年もの間、あの荒廃した大地に縛り付けられている。
女神は、抑揚のない声で語り続ける。
「自我の崩壊、そして世界の多くの生命を飲み込んだせいで奴の存在は大きくなり、そのまま周囲の大地から力を吸い取り荒廃させていった。その強大な力に単身では抗えず、私はもうひとり――お前たちが太陽の女神と呼びし者と結託し、そちらの世界から素養のある者たちを選んで力を託すことで暗黒を消し去ろうと計画しました。それがお前たち聖女の原型なのです」
「なるほど……。でも、ふたりとも修道女だったってことは、やっぱり心が綺麗な人から選んだ、とかですか?」
「いえ、それは捏造です。人間たちは外聞というものを気にしますからね……事実とは異なる伝え方をしたのでしょう。ある種の心の純粋さが並外れていたのは認めますが。ひとりは旅の薬師、ひとりはたしか羊飼いかなにかだったかと記憶しています」
「ええ~……」
急にあのお伽噺の有難みが減った気がして、これは絶対に誰にも話すまいと心に決める。その間も女神の話は淡々と続いた。
女神は、抑揚のない声で語り続ける。
「自我の崩壊、そして世界の多くの生命を飲み込んだせいで奴の存在は大きくなり、そのまま周囲の大地から力を吸い取り荒廃させていった。その強大な力に単身では抗えず、私はもうひとり――お前たちが太陽の女神と呼びし者と結託し、そちらの世界から素養のある者たちを選んで力を託すことで暗黒を消し去ろうと計画しました。それがお前たち聖女の原型なのです」
「なるほど……。でも、ふたりとも修道女だったってことは、やっぱり心が綺麗な人から選んだ、とかですか?」
「いえ、それは捏造です。人間たちは外聞というものを気にしますからね……事実とは異なる伝え方をしたのでしょう。ある種の心の純粋さが並外れていたのは認めますが。ひとりは旅の薬師、ひとりはたしか羊飼いかなにかだったかと記憶しています」
「ええ~……」
急にあのお伽噺の有難みが減った気がして、これは絶対に誰にも話すまいと心に決める。その間も女神の話は淡々と続いた。



