冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「残念ながら、それは叶いません。もしそれが可能ならば、元々の事の起こりの際に全て始末をつけているでしょう。そうは思いませんか?」
「あっ……」

 それはその通りだ。五百年もの間、封印の状態を続けていたということは、つまりその間それをどうにもできなかった事情があるはずだ。

「我々は確かに、あなたたちでは感じ取れない力を操る方法を知ってはいた。しかしそれは決して、万能たるものではないのです。そもそも、我々はあなた方の争いごとになど加担するつもりはなく、眺めているつもりだった。それに自らの同胞が噛んでいるのでなければね」
「……もしかして」
「あなたの今考えている通りですよ」

 彼らのような存在でも手をこまねく様な相手……それは、もしや彼らと同質の存在に他ならないのではないか? そんなセシリーの悪い予感は当たってしまったようだ。

「かつて封じ込められた者……それに手を貸していたのもまた、我らの同族でした。だからこそ、我らはあなたたちの世界に過剰に干渉するような暴挙を許せず、手を貸したのです」