『本来なら、ちゃんとお父上の許可をいただいた上でやるべきだとは思うのですが……一旦それは忘れましょう。同封した本に書かれているように通常なら、魔法の習得には年単位の時間が必要となりますが、今回は少々乱暴な方法を取らせていただこうかと思います。紫色の丸薬が入っていたでしょう?』
「この、ちょっと変な感じの薬ですか?」
袋から出て来たのは、爪の先ほどの小さな、紫に黄色の斑が入った怪しい丸薬。それをころころ手のひらで転がしていると、キースは詳しい説明をくれた。
「それには、体内の魔力に対する感覚を鋭敏にさせる働きがあります。それを飲むことで、あなたは内に流れる魔力を自分で感知できるようになるはずです……」
「ちょ、ちょっと待って下さい! で、でもそれって……この間みたいなことが起こるんじゃ?」
屋敷中がぼろぼろになって崩れ、生き埋めになる自分を想像しながらセシリーは丸薬を取り落としそうになって震えた。あんな頑丈そうな石牢ですらやすやすと破壊してしまうような力が、こんな街中で解放されたらどうなるか……。
しかしキースはそれについては、固く成功を保証してくれた。
「この、ちょっと変な感じの薬ですか?」
袋から出て来たのは、爪の先ほどの小さな、紫に黄色の斑が入った怪しい丸薬。それをころころ手のひらで転がしていると、キースは詳しい説明をくれた。
「それには、体内の魔力に対する感覚を鋭敏にさせる働きがあります。それを飲むことで、あなたは内に流れる魔力を自分で感知できるようになるはずです……」
「ちょ、ちょっと待って下さい! で、でもそれって……この間みたいなことが起こるんじゃ?」
屋敷中がぼろぼろになって崩れ、生き埋めになる自分を想像しながらセシリーは丸薬を取り落としそうになって震えた。あんな頑丈そうな石牢ですらやすやすと破壊してしまうような力が、こんな街中で解放されたらどうなるか……。
しかしキースはそれについては、固く成功を保証してくれた。



