「それが、どうかしたんですか?」
「奇妙には思いませんか? 実際に、このファーリスデルという王国にも隣国にも、その存在を祀られ、次期王妃となるため、王太子と婚約する太陽と月の聖女が存在する。そして、隣国と我々の国はこの五百年程、一度も争うことなく友好関係を続けてきた」
「たしかにそう言われれば符合する点も多い気もしますけど、私、聞きましたよ? ふたつの国の間にはなんにも無い、だだっ広い剥き出しの砂地があって、それが緩衝地帯として争いを妨げてるだけなんだって。それを利用して、ただのお伽噺をらしくなぞって、国民の王家に対する信用を集める手段にしてるだけじゃないんですか……?」
ファーリスデル王国とガレイタム王国、双方のちょうど真ん中には、緩衝地帯になるかのように広大な砂丘が広がる。たしかその名を、リズバーン砂丘といったはずだ。この土地は確か両国どちらの所有物ともなっておらず、未だ中立地帯に規定されている。
「ねえお父様、そうなんでしょ? どうしてさっきから、一言も話さないの?」
父オーギュストは先程から黙りこくって、キースの顔を強い眼で睨み付けている。真っ向から視線をぶつけ合うふたりの間には、なんらかの意思の交換があるように感じられた。
「奇妙には思いませんか? 実際に、このファーリスデルという王国にも隣国にも、その存在を祀られ、次期王妃となるため、王太子と婚約する太陽と月の聖女が存在する。そして、隣国と我々の国はこの五百年程、一度も争うことなく友好関係を続けてきた」
「たしかにそう言われれば符合する点も多い気もしますけど、私、聞きましたよ? ふたつの国の間にはなんにも無い、だだっ広い剥き出しの砂地があって、それが緩衝地帯として争いを妨げてるだけなんだって。それを利用して、ただのお伽噺をらしくなぞって、国民の王家に対する信用を集める手段にしてるだけじゃないんですか……?」
ファーリスデル王国とガレイタム王国、双方のちょうど真ん中には、緩衝地帯になるかのように広大な砂丘が広がる。たしかその名を、リズバーン砂丘といったはずだ。この土地は確か両国どちらの所有物ともなっておらず、未だ中立地帯に規定されている。
「ねえお父様、そうなんでしょ? どうしてさっきから、一言も話さないの?」
父オーギュストは先程から黙りこくって、キースの顔を強い眼で睨み付けている。真っ向から視線をぶつけ合うふたりの間には、なんらかの意思の交換があるように感じられた。



