冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

 ――聖女たちは、始めはただの貧しい村の修道女にすぎませんでした。しかし、一生懸命に苦しむ人々を助ける姿が目に留まり、太陽の女神様と月の女神様のが大いなるお力を授けてくれたのです。そして神様のお導きにより聖女たちは、よい王様たちと共に魔物を退け、終いには黒い竜と化してしまった悪い王様の元まで辿り着くと、それを協力して打ち倒します。悔しそうにわめいていた魔女たちも力を封じられ、どこかへと消え去りました。

 ――すべてが終わった後……ふたりの王様はしっかりと握手し、協力して互いの国を守ってゆくことを誓うと、聖女たちと抱き合いました。色々な場所で人々を必死に人々を救おうとする姿を見て、それぞれの国の王様たちも聖女たちも、お互いをすっかり愛するようになっていたのです。

 ――そして聖女たちは王様と結ばれ、ふたつの国では女神さまたちへの感謝を示そうと、どこよりも高い時計塔が王都に建てられ、年に二度お祈りが捧げられるようになりました。そして素晴らしい統治者たちの元、この地に平和が戻ったのだということです……。



 ……さして珍しくもないおとぎ話の一節を思い返した後、セシリーは顔を上げた。